高校受験の偏差値はかなり信用できる
宮城県の高校入試の基準偏差値は、たいてい新みやぎ模試が基準になる。
で、高校受験生のかなりの数がこれを受験するので、そこでの偏差値には一定の信用がある。正直、もう少し難しい問題を出してくれるとありがたいというのが本音なのだけれども、まぁ、偏差値という意味では信頼度は宮城ぜんけん模試よりも明らかにあるのは事実である。
ちなみに問題は基本的には宮城ぜんけん模試の方が難しいことが多いので、頭を使うという意味ではこちらの方が私は好きなのでうちは両方やっているのだけれども。
で、この両方の模試はあくまで宮城県の公立高校入試の問題を前提に作問されているので、当然その結果と実際の公立高校の入試結果の間には強い相関関係がある。
私は正直素点主義なので偏差値をあまり信じていないのだけれども、それでも一つの目安にはなる。
大学入試の偏差値は当てにならない
センター試験の時代にはマーク模試とセンター試験の結果にはかなりの相関関係を認めることができたが、共通テストになった昨今では共通テスト本番が予備校の想定の斜め上をいくので、センター試験の時代ほどの信頼度はないのではないかと思っている。
ただしそれでも、共通テストに関して言えば、模試と本番の間には相応の相関関係を見出すことは十分に可能だと言える。そういう意味では、信頼できる模試だと言えると思う。
ところが大学別模試を除けば、記述模試はそれぞれの大学の出題傾向に合わせて作られているわけではない。従って記述模試や共通テスト模試でいくら偏差値を叩き出したからといって、それが入試本番で通用するという保証はどこにもないのである。
そして大学入試は1点差、あるいはコンマ以下の差で合否が決まる世界である。
従って、出題傾向とかけ離れた問題でいくら偏差値を叩き出しても、当日点が取れる保証はどこにもないのである。
実際、A判定で大学入試を落ちるというのはよくあることで、偏差値を出しているから合格するなどということは大学入試においては全くないのである。
過去問が頼りになる
合格するか否かの目安は、結局過去問に頼らざるを得ない。
過去問できちんと点数を叩き出せる実力を身につけ、場合によっては出題傾向が似たもう少し上のレベルの大学の問題を解いておけば、普通は大学入試は合格する(東京一科は知らん。あれはうちの仕事の範疇ではないので)。
昨年仙台三高が文系の上位クラスに一橋大学の過去問を集中して解かせていたのだが、非常に効果的だったのは事実である。驚くほどに数学力が短期間に上昇していた。これはまた機会があった時にはパクらせてもらおうと思っている。
結局、出題傾向を分析して、実際に過去問を解いてみることが大切なのである。そして相性が悪ければ場合によってはその大学を諦めて、相性のいい問題を出してくれるところに志望大学を変えないと合格は難しいのである。
これは実話なのだが、私の大学時代の友人は東北大と慶應大学以外全て落ちている。法政大学に落ちたときは死のうかと思ったらしい。うちの生徒でも学習院大学に合格したのにA判定で國學院大学を落ちている。さらには世間的にはFランとバカにしている大学でも落ちるのが大学入試なのである。
結局相性と得点率が重要なので、得点率が高い大学であればあるほど、偏差値がどんなに低くともリスキーな受験になる。逆に得点率の低い大学であればあるほど、偏差値通りの結果になると言っても良い。
そんなわけで大学入試ではあまり偏差値に一喜一憂せず、どうやって目標の大学を攻略するのかだけを考えて勉強した方が勝算は高まるのである。